Interview店舗運営支援 次長

ただ、がむしゃらに。

横川 英樹2007年⼊社

アルバイト経験をきっかけにカクヤスに入社した横川。彼の粘り強さを決定づけるきっかけとなった原体験に迫る。

助けて
助けられて

学生時代にカクヤスで配達のアルバイトを始めたのは、ちょっとした偶然が重なったからだった。体力にはそれなりに自信があって、先輩に紹介してもらったから。そんなシンプルな理由で始めたカクヤスでの仕事は、想像していたより私に合っていた。配達件数が多い日は、同じ店舗の仲間と励ましあえば切り抜けられた。繁忙期には部長クラスの社員であろうと、アルバイトに混じって配達を手伝ってくれる。忙しくてもお互いを労ったり助けあったりする一体感に支えられて、続けることができた。

だから、大学卒業後もカクヤスで働くことを選んだのは自然な流れだったと思う。就職活動を始めた際は、自動車のディーラーなど他業界の営業職なども視野に入れていた。しかし、お世話になった社員やスタッフがいるような環境でまた一緒に働きたいと思ったことが、入社の決め手となった。

選ばれた
たった一つの理由

春を迎えて、新入社員研修を受けながら、早く現場に出て結果を出したくてうずうずしていた。しかし、私の野心を試すかのような困難が訪れる。

研修後に配属された店舗で3ヶ月経った頃、異動の話が舞い込んできた。異動先は都内の主要な繁華街にある店舗とのこと。売上は大きいが、非常に忙しい店舗と知られていた。さらにその忙しさがスタッフ同士のすれ違いを招いていることが問題視されているらしい。周りの社員に評判を聞いているうちに、不安が少しずつ募っていった。いくら入社前に配達のアルバイトを経験していても、店舗運営に携わるようになったのはごく最近だ。経験の少ない人にはハードルが高いのではないか。なぜ自分が選ばれたのか。異動先の上司に、率直な疑問を投げかけたところ、彼は簡単な理由だと前置きしたうえで、

「一番忍耐力があると思ったから」

と、答えた。100以上ある店舗の社員のなかで一番だと思われたことがとても印象的で、以来その言葉に支えられ続けることになる。

誰もやらないことを
やってみる

新しい店舗で働き始めると、忙しく立ち回る日々が始まった。飲食店様向けの配送も多く行う店舗であったためこれまで馴染みのなかった商品の名前を覚えたり、短時間で商品を倉庫から見つけ出して用意しなければならなかったり。そして、スタッフとのすれ違いは、商品を急いで用意しているのに「まだですか」と急かされるような状況などにあらわれていた。

それでも上司の言葉に支えられて、忍耐強く改善策を考えた。しかし、頭で考えているだけでは業務は減らない。それならばがむしゃらに行動するほかない。そう思った私は、注文された商品をお客様のもとへ、一番多く配達することにした。楽ではなかったが、効果は絶大。面倒ごとを押しつけあう相手ではなく、困難をわかちあう仲間だと感じてくれたのだろうか。あるいは誰もやらなかったことをやりとげたことで、圧倒されたのだろうか。私に対する相手の態度は柔らかくなった。このときから学生時代のアルバイト先で感じていたあの一体感を徐々に取り戻すことに成功した。

困難がつないだ絆

その数年後には店長になり、入社から13年目には複数の店舗をまとめるエリアマネージャーに。直近では店舗運営支援部の次長となったことで、入社1年目に何人かのアルバイトスタッフをまとめていた頃から比べると、はるかに多くの社員やスタッフを導く存在になった。ただし、立場が変わったとしても、私個人がやるべきだと感じていることは変わらない。誰もやったことのないこと、あるいは誰にもできないことをやってみること。特に私の役職であれば実現できることがあるならば、社内で困っている社員の代わりに行動してみる。この行動指針のおかげで理解者を得ることにも、結果にも結びついてきた。

物流業界に今後訪れるさまざまな問題に対しても、私は粘り強く解決策を探していく。配送システムの見直しや労働力の確保など取り組むべき課題は山積みだからだ。それでも怖くはない。困難こそがゆくゆくはカクヤスの社員を結びつけ、問題に立ち向かわせるから。